「そうなんだ……。先生も一緒だったんだ……」

そう呟いた途端、全身の力が抜ける。

ヘナヘナと力なくその場に座り込み呆然とする。

誰もあたしの味方になどなってくれない。

理不尽な理由をつけられてあの3人からイジメられている柴村さんを助けたいと思った。

柴村さんは泣いたり怒ったり、そういう感情を表には出さない。

だけど、きっと心の中で泣いていた。

妹の美亜のように。

美亜と同じように苦しむ人を増やしたくはなかった。

だから、見て見ぬふりはできなかった。

柴村さんを救おうとすることで、亡くなった美亜へのせめてもの罪滅ぼしのつもりだった。

でも、結果はどう……?

結局あたしは柴村さんを救うことなどできなかった。

里ちゃんが言っていた。

『安易に助けようとすれば柴村さんが……――』って。

その通りになった。

あたしが綾香たちに刃向かったせいで、イジメのターゲットにされ、里ちゃんは登校拒否になった。

柴村さんは今まで以上のイジメを受けている。


あたしが動けば動くほど、最悪の結果になっている。