少し深呼吸をして落ち着く。
そして、
「私と一緒に描かない!?」
言って、しまった…。
美波くんは驚いた表情になる。
「あ、えっと、違っ、その…私、1人はちゃんとできるか不安だしさ、何より美波くんと一つの作品作ってみたいな…と、思って」
最初すごく慌てて、でも後半はその勢いもなくなって声量もだんだん小さくなってしまった。
いつの間にか下を向いてしまってたから、ちらっと美波くんを見上げてみる。
すると、美波くんは無表情で何を考えているのか分からなかった。
み、なみ…くん?
「えっと…」
「ごめん。それはできないよ」
私が何か言葉を繋ごうとした時に、美波くんは淡々とそう言い放った。
美波くんの怖い顔を見たことはなかったし、こんな声を聞いたのも初めて。
…怖い。
でも、美波くんと描きたい。
その思いは変わっていない。