「あ、そうそう。3人までなら共同制作も可能です。友達と協力して一つの作品を作りたいって人はそうしたらいいと思うわ。」
先生がふと思い出したようにそう言った。
共同、制作…?
それなら私にもあまり負担なくやれるかもしれない。
そう思った時に一番に顔が浮かんだのは、やっぱり美波くんだった。
美波くん一緒に描いてくれるかな…
チラッと横目に美波くんを見てみる。
美波くんは真剣に先生の話を聞いていて、私の視線には全く気づいていない。
誘って、みようかな…
そう思った時には先生は立ち上がっていた。
「はい、じゃあ今日は集まってくれてありがとうございました。何か質問があれば遠慮なく聞いて。さようなら」
「「さようなら」」
そう言って先生が帰った途端に、先生が来る前のように再び賑やかになる教室。
2年生はもうどうするか決めているようで、お互いにテーマについて意見交換をしていた。
1年生はみんなテーマを考え込んでいる様子だった。
美波くんも、その1人だった。