え?は?今の話の流れでどうなったら、そんな?

え?ええ?

「あれ?ありがとって言ってくれるんじゃないの?」

急にいつも通りの声に戻った三上くんが、笑って聞く。



「あ、あ、ありがと。でも、え、ほんとに?なんで?」

「こないだ目が覚めたら、手つないだまま座って眠ってる真奈ちゃんがいて、寝顔見てたら、好きになっちゃったなって気づいて。一目惚れって感じで」

「そういうの一目惚れっていわないよ」

「あ、そうか、厳しいな」

ほら、こんなかわいげのない私のどこを好きなったの? 勘違いじゃないの。




「私、全然そういうつもりじゃ……」

「わかってる。でも、片思いでも言っていいんだよね?」

言ったけど、言ったけど、でも!



正直言って、びっくりしすぎてそのあとのことをよく覚えていない。

平内さんと香さんが休日に歩いているところを見かけたとかそんな話をされて、なんで隠してるのかなぁなんて、普通の噂話をしながら帰ったんだと思う。

好きって言われたけど、そのあとも三上くんは全くいつも通りだし、別に次の約束をするでもなく、家の前でさよならした。



片思い? 三上くんが私に?