私が声を荒げてしまったため、周りにいた人が驚いて私達に目線を向けた。
視線がチクチクと刺さるのが分かる。


「アイツが……?」

「そうよ。ファミレスで会った時、大人しくて地味な人だと思ってたけど、随分と派手な格好していたわ。圭悟派手な人好きだもんね。お似合いよ」


「クビになったんだ。不倫の事がバレて、アイツは。慰謝料の事もあって借金が多いらしくて、今は水商売で働いているらしい」


「へえ、随分と詳しいね。やっぱりまだ繋がってるんじゃない。助けてやんなよ、圭悟が」


「でも、お前の事が忘れられなくて……!アイツとはあれっきり何もしていない。連絡だってそんなに取ってない。お前が望むなら二度と連絡しない!だから……!」


話にならない。
私は怒りを通り越して、呆れ果てた。


圭悟ってこんな人だった?
連絡を取らないようにするからって、はいそうですかと戻れるわけないでしょう。


二人の女を不幸にして、それでも自分の事しか考えていない。
自分が上手くいけば、他はどうでもいいと思ってる。


どこまで自分勝手なの?

こんな人と結婚していた自分が恥ずかしい。