こんなに声を荒げたのは、生まれて初めてだ。 「はぁ…はぁ…」 感情をぶつけるのが、こんなに苦しいなんて知らなかった。 「…支度してくるから、待ってなさい」 「!」 え… 乱れた呼吸を整えていると、ボソッと母親が言い、部屋の奥へと行ってしまった。 「…」 支度するってことは、学校に一緒に来てくれるってことでいいんだよね? 「はぁー…」 …良かった。 とりあえず、良かった。