台所に向かう柳先生の後ろ姿を、目で追う。
何で急にお墓参り?という思いもあったが、今はここに帰って来た安堵感と、本当にこれで良かったのかという思いで複雑になっている。
お姉さんのことも話したが、私は柳先生が教師を辞めてほしくないことも話した。
柳先生に向けていた目線を、飲み干したカップに向ける。
だから本当は、私がここにいてはいけないー…
カップを握る手に力がこもる。
「…櫻井、今日は一緒に寝る?」
「!?」
驚いて顔を上げると、いつの間にか台所から戻ってきていた柳先生。
「なんか、一人にしたくない感じがしたから」
そう言うと、手に持っていた飲み干したカップを手に取り、柳先生は再び台所へと向かった。
一緒にー…寝る?
柳先生とー…?
唐突な発言に驚き、言葉が見つからない。