ここが職員室だということを忘れて、茫然としてしまう。


何がなんだかわからない。


自分の学費と生活費を稼ぐのが条件で、一緒に暮らし始めた。


なのに、私がバイトをして稼いだお金はそれに使われていなかった。



「…何のために私はー…」



母親なんかに期待はしていなかった。


だけど、私は学校で見つけた居場所だけは守りたかった。


柳先生のいる場所、蘭や榊原がいる場所ー…


それだけのために私は、会話もしない顔も合わせない母親と暮らし始めた。

学業との両立で、倒れるほど働いた。




なのに、なのにー…





手に持っていた手紙をくしゃっと握った。




「…あの母親は、やっと見つけた私の居場所までも奪おうとする」


悲しみなのか、怒りなのか身体が震える。





「許さない…」



あの母親に期待はしていない。

けど、どういうことなのかハッキリさせたい。





手紙を片手に、学校から母親の元に向かった。