「…っ」

心配してくれているのは、嬉しい。

けど本当のことを言ったら、柳先生は帰って来ていいと言うと思う。

そう言われたら、私も柳先生に甘えてしまう。


それじゃあ、ダメなのに。


身体にかけてある布団を、ぎゅっと握りしめた。


「ー…。何もないです。本当に大丈夫なので、ほっといてください」


"ほっといてください"


こんな言い方はしたくなかった。

けど、自分のためにもそう言うしかない。


「…そうか。悪かった」

「!」


俯いていた顔を上げ、柳先生を見た。



「心配性でごめんな」


ふっと笑いながら言った柳先生の表情に、きゅんっと胸が締め付けられた。


…また、柳先生に謝らせてしまった。



柳先生は悪くないのに。