「やっぱ、何かあったんじゃないのか?」
心の奥を見るように、柳先生の目が覗き込む。
「…っ」
ドクン、ドクン。
ここで目を逸らしたら、今まで頑張ってきたことが意味をなくしてしまう。
「け…携帯代ぐらい、自分で払わないとって思って…あと、遊ぶお金が欲しかったんです」
「学業に支障が出るぐらい、バイトしなきゃいけないのか?」
ドクン!
「…」
確かに、たった二ヶ月でこの有り様ー…
けど、けど…
「っ…」
とうとう目を合わせていられずに、俯いてしまった。
「櫻井…言ってくれなきゃわからないよ」
柳先生の声のトーンで、心配してくれているのが伝わってくる。