私はずっと居場所が欲しかった。
けど、その居場所を作るのが怖かった。
どうせすぐなくなってしまう居場所など、始めからないほうがいいと思っていたから。

失うことを考えると怖かったから。


今だって怖くないと言ったら嘘になる。

本当は怖くて怖くてしょうがない。


けど私はー…




「…櫻井」




信じてみようと思った。



「もう何も気にすることはない。お前がしたいようにすればいい」


いや、心から信じたいと思った。



柳先生をー…



「そうそう!何かあったら私たちがついてるから、何の心配もいらないよ」

「蘭だけじゃ頼りないけどな」

「ちょっと!榊原!!」

蘭や榊原をー…



そしてこの居場所を守るためには、守られてばかりではいけない。




私もこの場所を守らなければいけない。




そう強く自分の心の中で誓った。