「失礼しました」



校長室のドアを閉めた瞬間に思わず、4人同時にほっと溜め息が出た。


「何?圭吾も緊張してたの?」

榊原がニヤリと笑いながら聞く。

「ちょっとな」

ニヤリと笑った榊原を柳先生がパシッと叩いた。

「いってぇな。やっぱ圭吾は男にはヒドイな」

「それは榊原が悪いんでしょ!?…ねぇ、圭吾。もうマナは大丈夫なんだよね?」

榊原に突っ込みを入れながら、蘭が柳先生に今だに不安そうな表情で聞く。


「あぁ。もう大丈夫」

ふっと笑いながら答えた、柳先生。

「良かった!マナ!」

「!」

蘭が抱きついてきた。


「マナの居場所はここだからね。もう勝手にいなくならないでね」


「蘭…」

心が温かくなる。


「ありがとう」

やっと今、心が落ち着いたような気がした。