「…ふー」
泣くだけ泣いて、今は以前住んでいたマンションの近くの公園のベンチにいる。
辺りは真っ暗で、少し恐怖も感じる。
行くあてもないから、今日は野宿?
って、今日だけじゃなくてこれからもずっとー…
ブーブー
「!」
携帯に着信。
もしかして…柳先生?
そうであって欲しい気持ちと、もしそうだったらどうしようという気持ち。
恐る恐る、携帯の画面を見た。
「…え?蘭?」
¨着信中 蘭¨と、表示されている。
「もしもし?」
通話ボタンを押し、電話に出た。
[あ、マナ。あのさ、今からご飯食べに行かない?急にさ、両親が出かけることになっちゃって夕飯ないんだよね]
「あ…ごめん。今日はちょっと」
泣いて、顔が酷いことになってるし。
[えー!そんなこと言わないで!!夕飯おごるからさ。で、今どこにいるの?]
「今は…」
えーっと…
「家の近くの公園だけど…」
[あそこの公園ね!わかった。迎え行くね。絶対、動いちゃダメだよ]
そう言うと、電話は一方的に切れた。
「動いちゃダメって…」
蘭の強引さが、いつもより増していたような…
とりあえず、この顔をどうにかしなくちゃ。
蘭が来るまで、水で冷やしとこー…