学校に着くと、いつもの光景がすぐに目に入った。
「圭吾、おはよ!!」
「おはよ」
柳先生を取り囲む、女子生徒たち。
「ねぇ、圭吾。朝さ、女の人と一緒にいなかった?」
ドキ。
「何それ!?朝帰りのまま、学校来たの!?」
「いやぁー、圭吾!!教師のくせに!!!」
朝帰りということはない…けど、朝早く出て行ったから女の人と会っている可能性はある。
「って…」
詮索しちゃいけないんだ。
「よぅ、櫻井」
「!」
声を掛けてきたのは、榊原だった。
「この間はありがとな」
「あ…ううん」
「今週の土曜日が大会なんだ。タイムも上がってきたし俺、優勝できるかも」
「あ、うん。頑張って」
「それでさ、櫻井にお願いがあるんだけどー…」
「?」
お願い?