「結構、真面目だろ?」
「!」
いつの間にか、さっきまでソファーに座っていた柳先生が隣に立っていた。
「…そうですね」
止まっていた手を再び動かす。
「冷たいなぁ…そんなに、俺のこと嫌い?」
「…」
また、ぴたっと手が止まってしまった。
「おいおい、マジかよ…」
柳先生は苦笑いをしながら、棚に並んだ本を手にとって見ている。
好きか、嫌いかで聞かれたら…
「嫌いでも、好きでもないです」
別に、どちらでもない。
「なんだよ、それ」
「ただ、関わりたくないだけです」
柳先生と関わることを、心が拒否している。
この人はきっと、私の心をー…