それからは、逃げるように悠真の部屋を後にした。


悠真への罪悪感、自分のした事への後悔。


そんなもの全部からも、逃げられたらいいのにっ…


そっと肩越しに悠真の家を振り返る。


あたし、バカだ……


彼女でもないのに、勝手にイラついて、八つ当たりした。


悠真にいちばん近いのはあたしだって、当たり前のように思ってたけど。


そう思ってたのは、あたしだけなのかもしれない。


悠真にとってあたしは、きっとなんでもない、ただの同級生で。


だから、あたしのさっきの言葉は……悠真にとってめんどくさい言葉だっただろう。


あーあ、これじゃ恋人になるどころか、幼馴染みっていう立ち位置も危うくなっちゃったなぁ。


悠真に嫌われたかな……


部屋に帰っても考えるのはそればっかりで。


せっかく鈴が用意してくれたチャンス。それを手放したのは、自分。


その事実と、悠真の告げた現実に、押しつぶされてしまいそうだった。