「んー、今年は幸大とは行かないんだ」


「えっ……あっ、じゃあ、クラスの男子だ?」


声が少し震えたのは、なんだか嫌な予感がしたから。


せめて、行くのが男子なら安心できる。


でも、そうじゃなかったら……



「いや、違う……」



頭をがつんと殴られたような衝撃を受ける。


どうしよう……、今、泣きそうかも。


「……え、か、彼女…なんて、いたっけ?」


「いや、彼女とかじゃなくて、」


「でも、女の子と行くんでしょっ!?」


あ、と気づいたときには、もう遅かった。


あたしの大きな声が響いて。


部屋はしん…と沈黙が流れた。



悠真の顔は、怖くて見れない。


でも、きっと怒らせた。


違う…あたし、こんな嫌なこと言いに来たんじゃない。


あたし、バカだ……