「……悠真?」

「ん、柚?」

「うん…」

「どーぞ?」

「ふふっ、どうも」


くすぐったい会話。


短い言葉のやりとり。それだけなのに、心が弾む。


何とか平静を保ちながら、そっと目の前のドアを開ける。


「おう、ひさしぶり」

「だね」

「……」

「……」


どこか会話のテンポが悪いのは、やっぱり数日空いたブランクだろうか。


少し緊張ぎみに視線を動かすと、


「……っ」


ばちっと合った視線。


息をのんで、次の瞬間、視線をおもいっきりそらしてしまった。


ぷいって!さすがに感じ悪いじゃんか!!


なかなか上手くいかない自分に落ち込みそうになっていたとき。


悠真がはぁ…と息をついて言った。


「なんか…ひさしぶりで変なかんじするんだけど」


ドキッとしてそちらに顔を向けると、悠真はくしゃっとした笑みを浮かべていた。


それは困った風にも見えたし、もしあたしの思い込みじゃなければ…


照れているようにも見えたりして…


あたしもおんなじこと思ってたよっ


なんて、キャラじゃないし、口が避けても言えないんだけどね。