「えっとね、お姉ちゃんに呼ばれて、この部屋でDVD見ててー……ごめん。そのまま寝ちゃったみたい」


そっと視線を移動させると、うつむき気味で眉を下げる鈴がいて。


本気で申し訳なさそうにする優しい鈴に、あたしのほうが、って申し訳なくなる。


そもそも、次の日が休日だからってDVD借りに行ったのが悪いんだし…。


「いやっ、謝らなくてだいじょぶだからねっ?そもそもあたしが呼び出したのが悪いんだし…」


布団の上。反省の意味も込めて、正座をする。


「うーん…それもそだねっ!お姉ちゃんも謝んなくていいからぁ~、ねっ?」


立ち上がって、壁際にあるあたしのドレッサーの椅子にすとんと座る鈴。


その顔に笑顔が浮かんでいることにほっとする。


自由なところもあるけれど甘えん坊な鈴を、ついつい甘やかしてしまう。


特に上目遣いで微笑まれるのにお姉ちゃん、弱い……!


足をパタパタさせて、無邪気に笑う鈴はずっとそのままでいてほしいと思う。


能天気にあたしはぼーっと鈴の横顔を眺める。



鈴が、誰のことを見ているかなんて



全然知らないまま——―—