あたしは目的地を知らされないまま、鈴に手を引かれて……


というよりも、引っ張られて、家を出た。


でも、あたしを元気づけるって……


やっぱり心配させてちゃったんだ。


ほんと、不甲斐ない姉で、ごめんね。


今まで何度、そう思っただろう。


悠真に対しても、鈴に対しても、胸を張れない自分が嫌だ。


……こんなマイナス思考も嫌。


ああ、もう、何もかもが嫌だなあ。



「……わっ」


俯いていたせいで、急に止まった鈴に対応できずに、その背中にぶつかる。


「鈴、ごめ…」


「着いたよっ」


ん、なんか近いね。


ものの1分もかからなかった気が…


さっきの衝撃に少し痛む鼻を抑さえながら顔を上げて、唖然。


「え…」