「柚、聞いて?」

「ん?」


落ち込んでいた頭をゆっくり持ち上げると、萌が、まっすぐな瞳であたしを見ていた。


「あのね…柚もわかってると思うけど、柚たちの関係ってたしかに難しいかもしれない」


でもね、と続ける萌の表情は、すごく明るかった。


「そんな柚たちだからこそ持ってる、他の人じゃつくれない絆があるんじゃないかな」


絆…。


「マイナスにとらえちゃダメっ!いつもの柚みたいに、プラス思考でいこうよっ」

「萌…」

「柚が今の関係を変えようと頑張るのなら……萌はいくらでも応援するよ?」


今の関係を…変える……


そうだよ、立ち止まっちゃいけない。


今さら諦められるような、半端な思いじゃない。


だったら、あたしらしくがむしゃらになってみようかな。


萌がいてくれたら頑張れる気がするよ…!


いっぱいの感謝を込めて、あたしは萌に抱きついた。



「萌、ありがとっ…!」