五月特有のやわらかい日差しのなか。

いつもとはちがう温もりと不思議な安心感を感じて、

あたし、七森 柚(ななもり ゆず)は薄く開いた目をふたたび閉じようとする。







「んん~…、………んぅっ!!?」


そのとき、ふと目のはしに映りこんできた、普通ならここにいるわけない二人の姿。


その驚きようは果てしなく。


わきに抱えていた枕をちぎれそうなくらい握ってしまうほど。


ない頭をがんばって働かせ、とりあえず手に入っていた力をゆっくりと抜く。




考えるの。…なんであたしの部屋に、別室にいるはずの妹の鈴と、……別家に住んでいるはずの、幼なじみがいるのかを。








………結論。朝だから、あたしの脳みそは正常に動いてはくれなかった。