「んーっ、やっぱ屋上は気持ちいなあ」


ね?と笑顔を向けてくる萌に、曖昧なあいづちをうつ。


「で?何があったのさ?」


「えっ」


「その暗い顔には何か理由があるんでしょ?話聞いてあげるから、そのあとは笑顔に戻ってよね!」


「も、萌〜っ」


萌の言葉に、涙腺崩壊。


ぎゅっと唇をかんでも耐えられそうにないから、がばっと萌の胸にダイブして顔を隠す。


そして、夏休みにあったことを口にした。


あたしが話している間、何か突っ込んでくることも先を促すこともしなかった萌。


萌の優しさに助けられ、最後まで話し終えると、よしよしと頭を撫でられた。


子ども扱いをされているようなのが嫌で、普段ならその手を払いのけてぶつぶつと悪態をついていたかもしれない。


でも、なんでかな。


今日は萌の手がすごく暖かくて、心地よくて。


また、泣けてきてしまったんだ。