「柚、おっはよー!」

「おはよー!」

笑顔でとびついてくる萌。


「柚、おはよ!」

「幸大、おはよう!」

無邪気に手をあげて一目散に走ってくる幸大。


「…よっす」

「おはよう!」

幸大の隣を眠そうに歩く悠真。


変わらない光景。


変わらない日常。


そんな二学期が始まるはずだった。


「柚?ゆーず?ぼーっとしてるぞ?」

「……あ、萌…おはよ…」


でも、それはただの夢だった。


何度目をこすっても、あたしの前にいるのは萌一人で。


そこには当然、幸大と悠真の姿はない。


理由はわかってる。


悠真が時間をずらしたんだろう。


多分、あたしとかぶらないようにするために…


なんとなく、そんな気がする…