「音羽、楓」
「千里!!」
「なんか音が聞こえたけど大丈夫?……って2人してどうした!? 綾瀬! 音羽と楓が……「今いく!!」
千里がしゃべり終わる前に和樹が声を上げて私たちの方に向かってくれた。
「沖田さん、大丈夫!?」
和樹はまず最初に楓を心配した。
「私は大丈夫。でも、音ちゃんが……!」
「音羽、大丈夫か?
あちゃー、服が泥だらけじゃんか!」
「あっ、そういえば……。私は平気。楓が大丈夫じゃなそうだから誰かおんぶして上げて」
私の服が泥で汚れてた。
派手にやっちゃったな……。
自分で歩いて、平気だよと言い聞かせた。
でも、だいぶ痛い。
だけど、心配させたくない。
「ほらねっ! 私歩ける! だから平気!」
だけど和樹は顔をしかめる。
「沖田さんは俺がおぶる。で、音羽は翔か俊ちゃんにおぶってもらいな」
「私は平気だよ? 何言ってんの!?」
「だって音羽"平気"っていってんじゃん。
本当に大丈夫なら"大丈夫"って言うのが音羽の癖」
……!