「えっとーまずは、右に曲がって……。
うむうむ……分かった! 行こっ!」
「やっふぃー! 早く行こーよ!」
「おい! 小野、俊ちゃん待て!」
運動が得意ではない私と楓を置いてって、他の人は先にダッシュした。
今歩いてるところは、ながーい急な坂だから誰が速いのか競争してるみたい。
「私たちはゆっくりして向かうか」
「うん。そうだね音ちゃん」
「おーい音羽ー!! 私たち先行っちゃうよー!?」
「私たちは走る気力がないんで先行ってて」
「はーい!!」
ようやく、やっとの思いで坂を抜け出した私と楓。
残りのみんなは呆れつつも待っててくれた。
その先には、小さな神社が見えた。
そこでみんなで賽銭した。
私は和樹をちらっと見てから、目をつぶった。
和樹から────────………
それと、ピアノをもっと上手く弾けるようになりたい。
小さな願いを2つ心で祈った。