「ねぇ……このパーカーかけたの和樹?」


「はぁ……」


「そんなため息吐かれても……。
仕方ないじゃん。寝てたから」


「ん……まぁ、そうだけど。
俺がかけてあげたんだよ。感謝しな」


「私そんなの頼んでないしー」



キュンとしたことがバレないようにして頑張ったらそれが逆手に出てしまう。



「ハイハイ」


「うわっ棒読み……ひっど」


「音羽が感謝しねーからだろうが」


「ありがとうございました」




「ならよしっ。行くか、みんな待ってんぞ」




それでいいんだ……。和樹って単純。




呆れ顔で和樹のあとをついていった。