「音羽ちゃん、気になってたんだけど、いつ頃にまたオーストリアに行くの?
確か留学って1年ちょっとでしょ?」
「すっかり忘れてた……!
まぁ、けどそろそろ行こうと思うよ」
「そう、わかったわ。コンクール見に行けなくてごめんね。せっかくの優勝だったのに」
「ううん。大丈夫!
じゃあね、先生。また今度ね!」
先生にもう遅いから帰りなって言われてもまだ5時半頃。けれど、先生の言うとおりに帰ることにした。
ぴろんっ……
メール? 誰からだろ?
着信音が聞こえたからケータイを取り出した。
白坂と千里だ。
時間が早い方の白坂を見る。
"いい加減告れ。
いくらアピールしても和樹バレないぞ?"
で、千里は
"今日の綾瀬みた感じ、もう告って良いんじゃない? やっちゃいなよ(笑)
振られたら慰めてあげるから!"
2人とも同じ内容だ。
告白か……。