「音羽ちゃん! 久しぶりね!
テレビで活躍見たわ!
戻ったなら言えば良かったのに!」



「久しぶり先生」



学校が終わって真っ先に向かったのは、大月先生のところ。



私に留学を勧めた張本人だ。



「音羽ちゃん、どう? 元気?」



「先生、お母さんと話せるようになった!
ピアノ弾き続けて良かった!」



先生はぎゅーっと私を抱きしめる。



「良かった、良かった……っ!
良かったね、音羽ちゃん!」



先生も心配してくれたからお礼を言おうとしたんだ。



「先生、ありがとう」




「音羽ちゃんせっかくだから、ゆっくりしてって」



「じゃあ、ゆっくりします」




私はピアノの部屋に行く。



ここの鍵盤触れるの久しぶりだなぁ……。



私は時間を忘れてしばらく、ピアノに没頭していた。