今一瞬……
「今一瞬和樹がヒーローに見えた……。
めっちゃタイミングいいもん」
「腕は? 平気か?」
和樹の手が腕にそっと触れる。
「いたっ……」
少しの痛みに思わずつぶやいた。
腕掴まれたときだ。
「……チッ」
和樹は殺気立って、不機嫌な顔で舌打ちした。
「なんだかさっきから殺気立っているのだけれど、大丈夫でしょうか……」
不思議に思ったので和樹にきいてみる。
「ん。平気」
と言われ、頭ぽんぽんしてくれた。
「……!?//」
予想外のことで真っ赤になってしまう。
だけど、それが嬉しくてにやけながら笑みをこぼした。