この高校だって和樹がいたから……っていうのもあるけど、ここの高校の音楽教師に元ピアニストがいるみたいなんだ。
言っとくけど、私はピアノをやっている。
自分でいうのもなんだけど、結構自信がある方だ。
あらゆるコンクールで優勝し続けたからそれなりに自信がついてしまったんだ。
だからか私はちょっとした有名人。
ピアノ界では期待されてるピアニストらしい、とはいえまだピアニストにもなってないけど。
私はピアニストになるのが夢だから、こうしてコンクールに出ているんだ。
で、話がそれちゃったから戻すけど、
私の初恋は最悪ながら、目の前にいる和樹になってしまったわけなんです。
「おい、ぼーっとしてねぇで早く行くぞ」
「ちょっと待って!」
ふてくされた顔をした和樹は先に歩いてしまった。
私は急いで和樹のところに行った。