目覚めは最悪だった。
朝起きて、ひさしぶりの朝練に行く。
こないだ、音羽とやった時に簡単なことしかしなかったけど、もう出来るような気がしたんだ。
一生懸命な姿見て、ドキッとしたんだ。
"行ってきます"も言わず、朝ご飯も食べずに家を出た。
「……おはよ、和樹」
「お、おはよ、音羽」
家の前で音羽が待っててくれた。
昨日の今日だ。
俺の部屋で抱きしめてしまった。
それに帰りに送るまで言っちまったんだ。
ついつい意識してしまう。
昨日は俺だいぶ病んでたのもあってか、体が勝手に動いちゃったんだ。
頭で考え込んでもらちが明かなくて、いつの間にか寝たんだった。
「昨日はごめんな……。でも、ありがとう」
「私は何にもしてないし! 逆に図々しくなかった? その、色んなこときいちゃって」
音羽は俺を支えてくれたよ。
だから、そんなことは全く考えてなかった。
「そんなの考えでもなかったし! 音羽の言葉嘘でも嬉しかった。図々しいなんて有り得ない! ……音羽?」
……赤くなってねーか?