「あなたが和樹をちゃんと息子と見られるまで、何度も言いに来ますから!」
私はそれだけ言い残すと、勝手に家に上がって、和樹の部屋まで急いで向かう。
「和樹!!」
そう言いながら、ドアを勢いよく開ける。
「和樹……!?」
私は唖然とするけど、すぐに動いた。
和樹、私何も出来てないじゃん。
苦しめて、私バカみたい。
和樹からカッターを取って、放り投げた。
部屋も昨日とは全然違ってて、荒れ果てていた。
そして、和樹はリストカットしようとしてた……。
「音羽……」
昨日とは全然違う弱々しい声。
そこから助けを求めてるように思えた。
「和樹、昨日失敗しちゃった?」
「音羽にメールするまでは良かったんだ。
だけど母ちゃんにお前は家族じゃないって言われて……居場所ないんだって思った」
「和樹……」
私はまた和樹を抱きしめる。
「居場所くらいなら……」
「え?」