「あんたバカじゃない?
千里と俊ちゃん並みになっちゃったんじゃない?」


「アイツらと同類にされちゃあ困る。
それに俺は世間一般の常識はあるぜ!」


「オリオン座が冬に見られること知らなかったのによく言うよ」


「ふざけんなっ!!」


「あははは……!」



この関係が1番心地いい。



ねぇ、和樹。



私は想いを伝えたいし伝えたくないっていう矛盾があります。


もし私が気持ちを伝えたら今までの関係は全部無くなっちゃいますか?




「音羽、もう夜遅いし帰ろう。……送る」



「あー、うん。……もう一回今の言って!」




私の聞き間違いじゃないなら、今和樹"送る"って言ってた?



信じられない。



言葉の意味をようやく理解した和樹は顔が赤らんでいた。



「音羽"一応"女子じゃん、夜道危ないから送るよ。って音羽をつける変態はいないしな、やっぱ俺帰るわ。じゃーな!」



私は女子扱いされてるって浮かれたのに何そのセリフ、腹立つんだけど。



「はいはい、そうですね~
私可愛くないんで、誰も見ないしねー
……あっ! そうだ!」



和樹のやりたいこともう一つあったじゃん……。