「やっとリフティングできたし、パスでもしよーぜ」
「やったー……解放感半端ない」
「だろーな!」
もうバテバテだ、これ。
……でも、和樹がハマる理由がわかる気がする。
出来るようになったらめっちゃ楽しい。
パスは和樹があまりにもうますぎるカバーをしてくれたからか、下手くそなはずなのにあまり下手だと感じなかった。
少しの間だけ休憩をもらって和樹から貰ったスプライトを飲んだ。
スプライトの味はどこかと甘くて、
だけど酸味が少しだけあった。
あれから互いに夢中にサッカーし過ぎて、いつの間にか夜になっていた。
「はぁー、さすがに疲れた……!」
「和樹が疲れてるなら私もっと疲れてるわ」
土の公園なのに、和樹は大の字になって夜空を見上げた。
私も大の字にはならなかったが、砂場に座って見上げた。
「オリオン座見えたな」
「だって一応冬じゃん」
「えっ、マジ?
オリオン座って冬だったっけ?」