「あなたが言ってることはよく分からないわ。昔のあなたならそんな人の気持ちが分かるとかなかったでしょう?」
「昔は確かに分かりませんでした。
けど、今は違います」
だって、和樹とあの約束を交わしたのだからね。
それに楓、千里とも出会えた。
だからね、昔の自分に大丈夫だよって伝えたい。
「安心したわ。そのまんまでお願いね」
氷室さんは歩き出した。
「うそ? もう氷室さん出番?」
「今、5番だもの。そろそろ舞台の方に向かわないとね。今回も負けないわよ」
「私だって負けませんから!」
氷室さんは大人っぽい笑みを浮かべて、
舞台の方に向かった。