「これ、楓が。読んであげて」
先ほど預かった手紙を和樹に渡した。
「……分かった」
楓のお墓の前で和樹は手紙を読み始める。
楓、ごめんね。
たぶん私まだ……和樹が好き。
うん。そうだ。
私楓みたいに可愛くないけど、和樹をちゃんと支えるから。
私の手でまだ和樹を笑顔にするのは難しいけど、絶対振り向かせるから。
もうこの想いがなくなるのは絶対ないと思う。だって、留学しても和樹のこと忘れられないんだもの。
「……読めた?」
「うん。ありがとう」
「和樹に何があっても私が味方になるから。
そばにいるから。私はいなくならないから、何かあったら頼ってよ?」
私は笑いながらそう言った。
「おう!」
「……! やっと笑ってくれた!」
私は嬉しさで胸が一杯だ。