「音羽、なんでここに……」
「それより、和樹泣いてる」
「……あっ、ほんとだ」
「夢でなんかあったの?」
「……俺、楓がいなくなってマジでキツい。
好きなはずのサッカーが出来ねーんだよ」
「それで? もうしないの?」
「俺生きる理由ってやつが見当たんなくて。
家族からも必要とされてないし。だからやんなくてもいいかなって……」
「和樹……」
あんたが笑わないの似合わない。
笑ってよ。
私あんたの悲しい顔みたくない。
そのたんびに胸が苦しくなる。
"もう孤独じゃないよ"
楓の手紙を思い出す。
和樹は孤独じゃないから。
もしそうだと感じるなら私が和樹の痛みを全部全部抱きしめてあげる。
和樹が私にしてくれたみたいに。