えっ。
なんで悲しんでんの?
ママもパパもいるし、和樹くんも。
「「楓!」」
「「沖田(さん)!」」
「おめーら、おっせーよ!!」
力を振り絞って、あたりを見る。
そこには、音ちゃん、千里ちゃん、白坂くん、桐島くんがいた。
もしかして、私……死んじゃうの?
もうその時が来ちゃったんだ……。
「心拍数が下がりはしめました!
……呼吸も浅くなっています!」
看護士の大きな声が病室に響く。
音ちゃんはその場にしゃがみこむ。
「……あり、がと……ぅ、いま……まで」
「死ぬ前みたいなこと言うんじゃねーよ!」
ごめんね、和樹くん。
もう限界かもしれない。