<楓side> 和樹くんが帰った後、私は息切れが半端じゃなかった。 薬を飲んでも、それはなかなか治まらなかった。 ナースコールをやっとの思いで押して、医者がたくさん来たのを見て、意識を手放した。 ── ──── 「楓! おい、楓! 起きろ! 寝てんじゃねーよ!!」 「心拍数が安定しました!!」 誰かの声が聞こえる。 ……和樹くんだ。