~♪
曲は難しいのに1つもミスタッチしなかった。
それに、楽しめた気がするから悔いなし!
指がうさぎのように飛んだりしてて自分で弾いているのに信じられなかった。
「音羽、お疲れ!」
お母さんはいかにも泣きそうな声で静かにつぶやいた。
「見に来てくれてありがとう」
本当にありがとう。
私は幸せ者だな。
お母さんがやったことは許されることじゃないけど、私はお母さんとまた仲良くしたかった。
さて、この後は有澄奈の演奏。
有澄奈だから油断禁物。
有澄奈の演奏が始まり、客席が静寂になる。
~♪
やっぱり有澄奈はすごい。
聴いてて飽きない。
調子いいじゃんって喜ぼうとした次の瞬間。
「……!?」