「はっ……? どうしたいきなり?」



「私、音羽が苦しんでるの分かってた!
でも、何にも出来ないで……。
お母さんのせいで音羽が笑わなくなって。
自業自得だけどそれでも何も言わないで」



「だから、何でそんないきなり?」




だって実際お母さん私のこと嫌いだったんでしょう?



どうして私に謝るの?



嬉しいよりもなんで?
っていう疑問の方が大きかった。




「私の顔みたくないんじゃないの!?
私がお父さん似だから、見るとお父さん思い出して嫌になるんじゃなかったの!?
ピアノだってお父さんが聴くのが好きだから、それも思い出しちゃうんでしょ!?」



お父さんが毎日のように私のピアノ聴かせろ言ってお父さんは喜んでた。


新しい曲でもすぐに気づいて私も嬉しかったな……。




「音羽……そうよね。いきなり言われても嫌よね。本当にごめんね」



ほんと分かんない。



「だから、私理由が聞きたいんだけど。
なんで謝ろうとしたわけ?」




分かんない。



お母さんがますます分かんない。




「お母さんの気持ち聞かせて」




そう言うと、お母さんは遠くを見つめてから私を見た。