「音羽!!」



「有澄奈……えっ?」



有澄奈だと思って振り向いたら、違う人。



確かに声がほんの少しだけ違う。



でも、よく知ってる人だった。



実に5年以上も名前呼んでもらってないのに、どうして今になって呼んじゃうの?



私のこと嫌いなんじゃないの?



「お母さん……なんで」



酷く疲れたように見える。



お母さんは前会ったよりも痩せていた。



お母さんは突然、ぎゅーっと私の身体をキツく抱きしめる。



「音羽、ごめんね……」



お母さんは涙目になって私に謝ってきた。



私もつられて涙目になる。