やっぱり舞台にあがって、客席の方を見渡す。



人が多いな……。



ううん! 私は大丈夫!




私と氷室さんは椅子をひいて、深呼吸した。




アイコンタクトを交わしてから、音楽を奏でた。




~♩


~♬



それぞれの音を出して、 モーツァルトの二台ピアノのためのソナタ第1楽章を弾く。



いつの間にか緊張どころかリズムの乗り始めた。



氷室さんも笑いながらピアノを弾く。



このピアノは私と氷室さんの最初の連弾。



このおかげでピアニストの道が一歩前進することになるのは知る由もない。