心から、そう感じた。




みんなには当たり前の生活を大切にしてもらいたい。



でも、和樹くんの顔見ちゃうと離れるのが名残惜しくなちゃうから病気にかかった自分を何度も責めた。




花火大会の時だって、勢い余って走ってしまい、軽く発作を起こしてしまった。





「楓」



「和樹くん……」



残りわずかだと思うと、私は和樹くんを頭に焼き付けたかった。



「うわっ……泣きそっ」



和樹くんは腕でぬぐって、切なそうな笑みをした。



ドキンっと胸が打って、苦しくなる。