和樹の声がして、はっと我に返る。
「ううん。何でもない!」
「じゃあ、まだ和樹はやってないんだね。
せいぜい頑張りな」
「前言撤回、やっぱウザいわお前」
悪ふざけで言われてるのはわかるから、
そんなに傷付かない。
「あのさ、和樹」
「ん? どうした?」
気持ちを落ち着かせて、意を決する。
「実は、私、りゅ……」
「悪い! そろそろ行かねーと!
また今度話してもらってもいいか?」
「えっ……あっ、うん。分かった」
何にも考えずにうなずいてしまった。
「じゃあな!」
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