朝になって、私は目をこすりながら起きた。




ケータイを見ると、千里から返信がきた。



"楓と綾瀬が手つないでたよ。
付き合ったって。
もしかして帰った原因これ?
みんなには音羽はピアノ弾きたいから先帰ったって伝えといたよ。
バカだからすぐに納得してくれたから安心して。何かあったら、私に言ってよ"




おいおい、お前がバカ言うな……。



楓と和樹が手をつないでたということに、楓良かったねなんて思えなかった。



千里なりの気遣いが嬉しかった。



短くありがとっ! って送った。



穏やかな気持ちになれず、私はドイツ語の勉強をはじめた。




留学まであと、一週間。




ピアノとドイツ語に力を注いだ。