逃げ出したい。



逃げたくない。



完全に矛盾だらけ。



私は身動きが出来なかった。



「綾瀬くんのことが……その……」




和樹が赤くなっていくのが目に見える。




「す、好きです!」



和樹は驚くのは一瞬で、すぐに楓を引っ張り、そっと抱き締める。



「……俺も」



「えっ?」



「沖田が好きだ」