「……この、処分は……先程の理由ももちろんあるが、深手を負った桜自身の……たっての望みだからだ」

鼻から出る血をぬぐいながら、シュリが驚いて身を起こす。

「あれは、お前の罰が重いものならば、自分にその半分を科してくれとすら言っていた」

「………!」

シュリがそのブラウンの瞳を揺らし、ぐっ、と苦しそうに口を結んだ。

「あれが………助かったから良いが、もし死んでいたら」

王はググっ、と唇を噛んで、シュリを睨みつけた。

「私はお前を、決して許しはしなかっただろう」

「我が君………」

「お前の桜に対する気持ちは知っている。このような愚挙に、お前ほどの武官が走ってしまったのも……理解できる」

「……はい」

「だから、私自身の気持ちは、この一発で手打ちにしてやる。あとはもう後ろめたくなど思わず、桜に別れを告げて来い」

「………っ」 

胸に熱くつまる思いに顔を歪めて、シュリはもう一度床に額をつけた。