「汝の、王都武官の身分、並びにそれに付随する一切の権限を剥奪する」

てっきり斬首刑が言い渡されると思っていたシュリは、戸惑って目を丸くした。

「そして、今後は王都の地を踏むことはならん」

「………」

王都武官の身分剥奪と、王都からの永久追放。

それがシュリに下された罰だった。

死刑や終身刑どころか、牢にも繋がれないとは。

面食らう。

「……本来なれば、斬首刑なのだがな」

小さく息をついた。

「汝の、武官になってからの功を見た」

ちらりと先程の文官の脇にかかえられている書類の束を見やる。

「わずか二年目にしてその大きさ、多さ、そして汝の武官としての稀なる素質、その将来性。それを勘案した時に、今ここで汝という武官を殺すのは国益を損ずる」

王の評価に、息を呑んだ。

「よって、シュリ。王都武官を罷免された後は、速やかに地方武官の任に付くように」

「!!」